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「あと何個?」「まだ終わらないの?」が、毎朝の合言葉になっていた

2026-06-04

「あと何個?」「次なに?」と朝じゅう聞かれ続けて疲れていた頃の話を、家での試行錯誤と一緒に書いておきます。今日のやる事をすごろくの盤面にして先が見えるようにしたら聞かれる回数が減って、さらに「勉強しなさい」みたいな大きいマスを細かく割る使い方も効いた、という話です。

朝 7 時。妻はもう出勤している。私は子 2 人の朝の支度を、1 人で回す係。

上の子が起きてきて、リビング着くなり 1 言目:

ねえ、今日あと何個やればいい?

下の子は洗面所から:

お父さん、つぎ何するの?

私の口は「いまやってるよ」「次は着替え」「あといくつかは、まだ分かんないわ」を 30 秒ごとにループする機械になる。

着替えながら「次は?」、ご飯食べながら「次は?」、靴下履きながら「あと何個?」。

私が前日のうちに「いま、何個ある? あと何分?」を脳内で全部組んでおいて、聞かれるたびに口頭で出力する係になっている。これがまあ、しんどい。

子は先が見えないと、動かない (というか動けない)

しんどがるのを少し脇に置いて観察すると、子は 「次これ」と言わないと足が止まる

ぼーっとしてるわけじゃなくて、本人の中で「いま自分は朝のどの辺にいるのか」が、分かっていない感じ。

たとえば「歯磨きやってから着替えてご飯食べて」って 3 つまとめて伝えても、歯磨きが終わった瞬間に頭から全部消えてる。次が出てこない。

これ、性格とかやる気の問題じゃなくて、「1 日の地図」が頭の中に描けてないだけ、というのが、子を 2 人見ていてだんだん分かってきた事。

地図がないから、毎回親に「次のマスはどこ?」と聞きに来る。聞かれた親は、地図を口頭で読み上げ続ける役になる。

口頭での地図、めっちゃ非効率。書いて渡せばいいのでは、というのが、Todoすごろくというアプリを作ったきっかけ。

1 日のやる事を、すごろく 1 枚に並べる

仕組みはシンプル。

「歯磨き」「着替え」「ご飯」「忘れ物チェック」「行ってきます」みたいに、今日やる事を順番にマスに並べる。それで 1 枚のすごろく盤面ができる。

子は朝、その盤面を見ながら、1 マスずつ進めていく。終わったマスは塗りつぶす。

これだけで、子のセリフが変わってきた。

「あと何個?」 → 自分で盤面を見て、残りマスを数える。

「次なに?」 → 盤面上の駒の 1 つ先を見る。

地図がポケットの中にあれば、人は親に道を聞かない、という当たり前の話。

ごほうびマスを混ぜておくのがコツ

すごろくの中に、ふつうのやる事マスに混ぜて、ごほうびマスを 1〜2 個入れておく。

「ゲーム 10 分」「チョコ 1 個」みたいなやつ。

これがあると、子はゴールではなくて 「次のごほうびマス」を見るようになる。「あと 3 歩でチョコ」「あと 5 歩でゲーム」の方が、ゴールよりも近くて分かりやすい。

「ごほうびで釣るの嫌だな」と思った時期もあるけど、私の体感、これは釣りじゃなくて 休憩所。長い行列に並ぶときに「あと 5 メートル進んだら座れる」が見えてた方が楽、というやつ。

最初のマスは、絶対に簡単なやつ

1 つコツがあって、すごろくの 最初のマスは、「水を 1 杯飲む」「シャッターを開ける」みたいに 30 秒で終わるやつを置く。

理由は、起きたばかりの子に「歯磨き」をいきなり要求すると、そこで詰まる。30 秒のマスを 1 個入れておくと、「もう 1 個進んだ」が早く来て、駒が動き出す。

最初の 1 歩を軽くしておくと、2 マス目以降が動く。これは大人の朝も多分同じ。

「勉強しなさい」は、たぶんマスが大きすぎる

ここまでは「1 日のやる事を 1 枚に並べる」話。でも、すごろくにはもう 1 個の使い方があって、私はむしろこっちが本命やと思ってる。1 つのやる事を、さらに細かいマスに割る

たとえば「勉強しなさい」。これ言っても、うちの子は動かない。やる気がないわけじゃなくて、「勉強」っていうマスがでかすぎて、どこから手を付けるのかが分からない。

なので、実際にやる事まで割ってみる。

  1. 問題集とノートと鉛筆と消しゴムを机に出す
  2. 椅子に座る
  3. ノートを開く
  4. 1 問解く

「勉強しなさい」の 1 マスを、4 マスにする。それだけ。

割らずに「勉強しなさい」で済ませると、何が起きるか。椅子に座る、鉛筆がない、ぐだー。やっと探してきて書き始める、今度は消しゴムがない、ぐだー。ストッパーが 1 個出るたびに立ち上がって、そのまま戻ってこない。気づいたら 1 問も解いてへん。

最初の一歩が重い、というのもあるけど、それより「途中で詰まるポイント」を先に潰しておく方が効く。「道具を全部出す」を 1 マスにしておけば、座ったときに鉛筆も消しゴムも目の前にそろってる。詰まる芽を、座る前に摘んでおく感じ。

このアプリ、見える化が看板やけど、裏の狙いはこっち。やる事を、それ以上割れへんくらい細かくして、1 マスずつ潰していく。「1 問解く」まで分解できたら、子がやるのは「勉強」じゃなくて「ノートを開く」だけになる。粒が小さいほど、駒は動く。

「視覚支援」って言うと大層だけど

このアプリのキーワード欄に「視覚支援」「TEACCH」とか書いていて、専門的なやつに聞こえるけど、現場でやってる事は 「絵が見える」だけ

口頭で「歯磨いて、着替えて、ご飯食べて、忘れ物見て」と言うところを、紙 (画面) に並べて見せる。それだけ。

ただ、それだけの差で、子の朝のスピードが変わる事は実際あって、うちはそれで助かっている。発達特性の名前が付いている子も付いていない子も、たぶん効く子には効く。

逆に、目で見せても効かないタイプの子もいる。その場合は別のアプローチが要ると思う (うちには姉妹アプリの「Todoガチャ」とかもあるので、そっちが合う子もいる)。

結局、地図の話

朝、子に「あと何個?」と聞かれる回数が減ると、親はだいぶ静かに過ごせる。

地図を渡すだけで、聞かれないし、急かさなくていい。それだけの差で、朝のワンオペがちょっと回るようになった、という地味な話です。

地図は、1 日にも引けるし、1 つのタスクの中にも引ける。粒の大きさを変えるだけで、同じ盤面が「今日 1 日」にも「勉強の最初の 5 分」にもなる。うちはそうやって使ってます。

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