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「自分でやるから言わないで」、でも言わないと動かない子に

2026-06-02

「自分でやるから言わないで」やのに言わな動かん、といううちの朝のジレンマを、やる事をビンゴ盤に置いて子が順番を選ぶ形にしてみた話です。真ん中マスの使い方や、夏休みの宿題をカレンダービンゴで回すやり方まで、うちで実際にやってる使い方をまとめておきます。

朝 7 時 30 分。「もう着替えた?」と聞いた瞬間、子の口から出る言葉。

「言わないでって言うたやろ! 自分でやるから!」

…分かった、と一旦引く。10 分後、子はまだソファでぬいぐるみと話している。

「自分でやるから言わないで」と「でも言わないと動かない」。これが、わが家の朝のメインジレンマです。

これに名前を付けると自己決定欲とか PDA とかいろいろ出てくるみたいやけど、現場の感覚としては、ただ単に「どうしたらええんやろ」しかない。

ジレンマの正体を、ちょっと分解してみる

冷静に分けると、子が嫌がっているのは「やる事」じゃなくて、親から言われること、っぽいんです。

実験ぽい話。子に「今日はおやつ、全部好きに選んでええよ」と言うと、頼んでないのに勝手に動き始める。「ご飯食べたら歯磨きしてね」と言うと、テコでも動かなくなる。

つまり、「やる / やらない」の指示が親側から来た時点で、内容を見ずに『拒否』が先に立つ

だったら、やる事リストをそのまま渡しても無理。「親が決めた順番」が見えるとアウト。

ここを「親の口を経由せず、子が自分で順番を選ぶ」形に変えられないか、という発想で作ったのが、うちの「Todoビンゴ」というアプリです。

ビンゴ盤に、やる事を並べてみる

仕組みはシンプルです。

やる事を 3×3 や 5×5 のビンゴ盤に並べておく。子はその中から 好きな順番で 選んで進める。タテ・ヨコ・ナナメで一列そろえば、登録しておいたごほうび。

これだけやけど、子の中ではこうなります:

形は同じ「やる事 5 個」でも、入口の感覚が変わると、ここまで動きが違ってくる。

ちなみにこの「あと 1 個で完成」が気になる現象、心理学では ザイガルニク (Zeigarnik) 効果¹ と呼ばれていて、未完了のものは人の頭に残り続けて埋めたくなる、というやつです。ビンゴはこの心理を一番きれいに使えるゲーム機構なので、それを Todo に乗せた、という設計。こういう心理学の話、うちでは「子をこう動かすための技」というより、アプリの仕組みを考えるときの下敷きに、くらいの距離感で参考にしています。

真ん中マスは、親の「戦略席」

ビンゴ盤、ちょっと面白いのが、中央のマス

タテ・ヨコ・ナナメ、どのラインでビンゴしても 必ず通る マスがそこ。

ということは、ここに「絶対やってほしい事」を置くと、子がどのルートを選んでも、最終的にそこを通る、という構造になります。

うちで使っている中央マス例:

「自分で選んだようで、実は親が真ん中に置いた事を必ず通る」。これ、書くと少し操作っぽく聞こえるけど、たぶん家事や宿題の「順番設計」って親が陰でやってる事の代表で、Todoビンゴはそれを構造として明示しているだけ、という感覚で使ってます。

ついでにもう 1 つ、上段の列。短時間でできる簡単なやる事 を上段に置くと、最初の一列がそろうのが早い。「あと 2 マスで次のビンゴ」が見えてきて、続けるエネルギーになります。

逆に、苦手なやる事を端の角に置くと、「最後ここだけなのに」になって、いやでも片付けたくなる、というルートもアリです。

夏休みの宿題は、カレンダービンゴで

普通のビンゴ盤と別に、Todoビンゴには カレンダー型 のモードがあります。

8 月の 30 マスに「ドリル 2 ページ」を 1 マスずつ置く、みたいな使い方。

これが地味に効くのが、サボった日があっても、後から塗れる こと。

8/3 をやり忘れて 8/5 に気付いたら、8/3 のマスを塗りに戻ればいい。「過去分も含めてビンゴ揃えたい」気持ちが、追いつこうという行動につながります。

逆に、気分が乗っている日は先取りでガーっと塗っても OK。1 日 1 マスの縛りはなくて、「ビンゴ盤を埋めていくゲーム」として残り日数を見せる、という設計です。

「毎日コツコツやらないと終わらないよ」というプレッシャーを浴び続けるより、たぶんこっちの方が続く子もいるはずで、うちはそれで助かっています。

ごほうびマスも、混ぜておくのがコツ

ビンゴ盤に「ゲーム 10 分」「好きなおやつ」みたいな ごほうびマス を 1〜2 個混ぜておくと、「あと 1 マスでこれが取れる」がもう 1 段強くなります。

宿題マス連発の盤面より、合間にごほうびがちらっと挟まっている方が、「埋めにいきたい」モードに入りやすい印象です。

やる気スイッチ、の正体

「やる気スイッチ」ってよく言われる言葉、実体は何かというと、たぶん 「自分のやっている事が、見える」 ことなんやろうな、と最近思います。

積み上げたものが見える。あと 1 個で揃う、というのが見える。今日サボった分をどう取り戻せるかが見える。

それが見えると、人は自分で動き出すことがある。子も、たぶん大人も。

Todoビンゴは、その「見える化」を、ビンゴという馴染みのある形に詰めた、それだけのアプリです。

「自分でやるから言わないで」と「言わないと動かない」のジレンマ、うちでも完全には解決していないけど、ビンゴ盤に置いてから「親が口で言う回数」がだいぶ減ったのが、いちばんの体感です。

Todoビンゴを見る →

  1. Zeigarnik, B. Das Behalten von erledigten und unerledigten Handlungen. Psychologische Forschung, 9:1–85, 1927.